牝 へ の 道 標

最 終 話  後編(最終回)



 荒井はもらったパンフレットを何度も読み返し目を輝かせた。それは今日のオークション要項であった。プログラムと写真、売りに出される八人の女の詳細なデータが載っていた。特に目玉商品である真紀と咲子には4ページが割かれており、ロデオ浣腸や近親サンドイッチの件が写真付きで詳しく紹介されていた。
 奈津美の出産ショーは最初に予定されていた。そこには出産ショーとしか書かれておらず、全貌は客にも伏せてあるようだった。
「この女たちは、今日はどうしていますか?」
 荒井は付き添っている助手に尋ねた。
「今頃は最後の舞台練習を繰り返していますよ。女たちは、自分が今日世界中に売られていくことさえ知りません。只のショーか、せいぜい一晩買われるだけだと思っています」
 荒井は舞台練習の見学を申し出たが、それは叶わなかった。

 午後4時まで今までの実験ビデオの鑑賞などで時間を潰した荒井たちは、少し早いがオークション会場のあるホール棟へと向かった。だがすでに客の何組かは入っており、他の連中も続々と集まりはじめていた。このショーへの期待がいかに大きいかが分かる。
 
 そしてまだ三十分前だというのに会場にはもう全員揃い、各々ボックスシートにゆったりと座って開始を待っていた。その中には楊大人の一行もいて、荒井たちが深いお辞儀で挨拶すると、軽く手を挙げて応えた。
 会場では獄舎のS級・A級の女たちがホステスとして借り出され、淫らなコスチュームを纏って各シートにはりつき、酒を注いだりなどの接待をしていた。さっそく尻を撫でられたり乳房を揉まれたりと手を出され、あちこちからか細い悲鳴が聞こえはじめた。
 荒井達のシートについたのは、龍貴が提供した弁護士の有美子であった。
「・・・…ほ、本日は、遠いところを起し下さいまして、誠にありがとうございます・・・…み、みなさまの、お世話をさせていただきます・・・…ゆ、有美子でございます・・・…い、至らぬ点など多々ございますが、せ、精一杯お仕えさせていただきますので・・・…ど、どうぞよろしく、お願い申し上げます・・・…」
 震える声で口上を述べ、床に手をついた。
「随分大人しくなったじゃねえか。それにますます色っぽい」
「毎日アヌスを可愛がってもらってるからか」
 有美子は屈辱のあまり平伏した身体をブルブルと震わせた。龍貴は自分をこんな境遇に陥れた、どんなに憎んでも足りない仇敵である。だが子供二人を研究所に抑えられている限り、何も出来ない。
「また尻がデカくなったようだな」
「ホレ、後を向いて、こっちに尻を突き出してみろ。自分でケツの穴を開いて、ケツで挨拶するんだ」
 有美子は羞ずかしげに後ろを向き、双臀を持ち上げた。ムッチリと肉感的なヒップが遠慮がちに突き出された。極端に短いフレアスカートの下は何もつけていないため、上体を屈めるだけで有美子の股間は花弁から肛門まで丸出しになった。
「オラ、何度も言わせるな。自分からケツを開いてご挨拶するんだ」
 有美子は歯を噛みしばり、ゆっくりと手を後ろに回して自分の尻肉を押えた。指を食い込ませ、左右に割り開いていった。。
「・・・…ううッ・・・…ゆ、有美子の、お尻です・・・…ご、ご覧になって・・・…」
 匂い立つような妖しさだった。連日肛門を責められているにも関わらず、驚いたことにほとんど型崩れが見られない。キュッと結んだ放射状の皺は清楚なただずまいのまま、まるで眠りについているお姫様を想像させた。
 周りを見渡すとすでに裸に剥かれている女も珍しくない。中にはシートの真ん中で大股開きにされ、媚肉や肛門を指で掻きまわされて啜り泣いている者もいた。
「フフフ、ほれ、あっちを見てみろ、黒人にアイストングでオマ×コ開かれてるぜ。おおひでえ、あっちのアラブ人はビール便でケツの穴抉ってやがる。それを考えたら、このテーブルは幸せだろうが」
 招待客はざっと見渡して百人余り、稀代の悪党どもばかりだ。一見穏やかそうな好々爺から険のある壮年、軍人顔の若者まで、面構えも実に様々である。二十歳そこそこの荒井達が珍しいのか、彼らは時折興味深そうな視線が向けてきた。それぞれのテーブルについているサービススタッフが将信や荒井の素性を説明しているようだ。
「五大陸二十二カ国から暗黒街の重鎮が集まっています。ユダヤとアラブが笑顔で握手を交わすのはここだけですよ」
「争いにはならないんですか」
「なりません。以前一度だけ他のお客様に狼藉を働いた組織は、誰も帰国できませんでした。そして本国の組織もその日のウチにわけも分からぬまま誰かの手によって壊滅させられています。ちなみにその年は、最終日のオークションのあと、拷問殺戮ショーというプログラムが一つ増えましたが」
 荒井達についているスタッフが小声で説明した。
 それぞれ席で女をいたぶっているうちに、やがて開始時刻が近づき、客席の照明がゆっくりと落とされて舞台に光が集まった。
“みなさま、お待たせ致しました。ただいまより恒例の牝奴隷オークションを開催致します”
 開始宣言と同時に割れんばかりの拍手が会場中に鳴り響いた。
 やがて白衣を着た数人のスタッフが、すでに陣痛の始まっている奈津美を乗せた内診台を押して舞台袖から入ってきた。
「・・・・・・ひ、ひいッ、いやあッ・・・・・・」
 奈津美は突然大勢の目に曝され、悲鳴を上げて身を捩った。だが大股開きでがっちりと拘束されている身体は僅かな身じろぎしかできず、艶めかしく身体をうねらせたに過ぎなかった。
 ムンムンと色香を発散している妊婦の奈津美に客席からどよめきが起こり、最後に勇吉が舞台へ上がったと同時に、再び拍手が起こった。
 勇吉は客席に手を振って応えた。
「キシシシ、最終日、恒例の宴を存分に楽しんでください。まずは奈津美の出産ショーです。日比谷君」
 勇吉に呼ばれて、奈津美の側にいた日比谷教授が横に並んだ。
「まずはこのショーの責任者、奈津美の担当医の日比谷より説明申し上げます」
 日比谷が客席に向かって深々と頭を下げた。再び拍手が起こる中、挨拶を終えた勇吉は客席へ降り、最前列正面の席についた。
「日比谷でございます。あらためまして、手短にご説明申し上げます・・・・・・」
 会場が静まりかえった。
「オークションに先立ちまして、まずはこちらから珍しいショーをご提供致します。すでにお手元のパンフレットにございますように、人妻桜井奈津美の出産ショーでございます」
「ひいッ・・・・・・そ、そんなッ・・・・・・」
 奈津美は日比谷の言葉を聞いて初めて自分の出産を見せ物にされると知り、言葉を失った。歯の根がガチガチと鳴り、全身が総毛立った。
「・・・・・・が、ただの出産ショーではございません。肛門奴隷の奈津美に相応しい、世にも珍しい出産・・・・・・肛門からの出産をお目にかけましょう」
「・・・・・・な、なんですって・・・・・・」
 襲い来る陣痛と闘いながら、奈津美はわが耳を疑う言葉を聞いた。
 客席もまた驚愕にどよめいていた。確かに舞台の女は美しいが、出産くらいは機会さえあればいくらでも見られるものだ。そんなものよりも早くオークションを・・・・・・そう考えていた矢先の、想像だにせぬ日比谷の言葉であった。
「もう一度申し上げます。この奈津美は、排泄器官である肛門から子供を産み落とします」
「肛門から出産だと・・・・・・ま、まさか」
「そ、そんなことができるのか」
「どうやって尻の穴から産むんだ」
 ・・・・・・そ、そんなこと、できるはずがないわッ・・・・・・奈津美は錯乱寸前であった。
「すでに、奈津美の子宮口にすぐ下からS字結腸へ、産道となるバイパスを通しております。このバイパスは、破水を感知して緩む仕組みになっております。先程膣の奥を塞ぎましたので、胎児はそこを通って直腸、肛門を通過して顔を出すしかありません。わが研究所ならではの技術でございます」
 奈津美は日比谷の言葉に思い当たる節があった。肛門を最大に開かれたあと、全身麻酔を打たれ、目を覚ました時には腹部に違和感があった。その後、二週間にわたって淫らな責めは行われず、まるで入院患者のように安静を強いられ、診察を受ける日々が続いたことがあった。日比谷の言うバイパス手術が本当ならば、おそらくその時に行われたに違いない。
「・・・・・・ウ、ウソでしょッ、そんなッ・・・・・・そ、そんなことッ・・・・・・」
「ウソかどうかは、間もなく分かる」
 日比谷は奈津美の方を振り返ってそう言い、ニヤリと笑った。
 それは痛みを忘れるほどのショックであった。
 ・・・・・・ま、まさかッ・・・・・・まさかッ・・・・・・
 お尻の穴で子供を産むなど、荒唐無稽な話だ。奈津美はまだ信じられない気持ちだった。
 ポンッ・・・・・・
 奈津美の下腹部の奥で内側から軽く蹴られたような感触があった。ほどなくして、奈津美は便意を覚えた。
「ううッ・・・・・・あ、ああッ、でちゃう・・・・・・いや、あ、あああ・・・・・・」
 奈津美は突然襲ってきたその便意を堪えきれなかった。肛門を引き締めようとしても思うように窄まらず、垂れ流しのようになった。
 無色透明の生暖かい液体が、スタッフの構える容器の中にボトボトと落ちていった。
 日比谷はそれが破水であることを客席に説明した。
「おおおお・・・・・・」
 まだどこか半信半疑であった客席も、身を乗り出しはじめた。
「あ、あああ・・・・・・お、お尻が・・・・・・い、いうことを、きかないわ・・・・・・」
 朝から執拗に肛門を拡張され、解されてきた上に、一時間前に粘膜と筋繊維を伸ばすクリームを塗り込められた奈津美の肛門はポッカリと緩みきって口を開けていた。
「フフフ、これを見ろ。破水だ。今、お前がケツの穴から漏らしたのは、赤ん坊を包んでいた羊水だ。これで信じる気になったか」
 日比谷は容器で受け止めた透明の液体を奈津美に見せた。
「・・・・・・ヒ、ヒイッ・・・・・・ヒイーッ・・・・・・」
 どうやら肛門出産が本当らしいことを感じ取り、奈津美は美貌をひきつらせて悲鳴を上げた。出産を大勢の見せ物にされるだけでも耐え難いことであるのに、我が子をお尻の穴から産ませようとする悪魔の所業に、奈津美は目の前が真っ暗になった。
「そ、そんな非道いことッ・・・・・・い、いやあッ、やめてえッ・・・・・・」
 内診台の上で半狂乱になって叫ぶ奈津美の口に、ガッチリとタオルが噛まされた。
「ウウッ、ウウムッ・・・・・・ウムウーッ」
「舌でも噛まれたらここまでの苦労が水の泡だ。見事ケツの穴から子供を産み落とすまでそのままでいろ」
 日比谷の合図で、部下たちが奈津美の体中をまさぐりはじめた。日比谷自身も手にスキングローブをはめ、奈津美の肛門を弄りはじめた。
「うむッ・・・・・・ムウンッ」
 奈津美の身体がビクンと仰け反った。
 何本もの手が、内診台に縛られた奈津美の体中を這いまわってきた。左右からは豊かに張りつめた乳房を揉みしだかれ、乳首をコリコリとしごかれた。また別の男が耳を甘く噛み、首筋に吸い付いてきた。
 股間では塞がれた最奥には何もできないものの、その少し上に息づく女芯を指の腹で優しく転がされた。そして肛門には日比谷の指が侵入してきた。
「ううむッ・・・・・・うぐッ、ううむッ」
 敏感な箇所を一斉に責めたてられ、奈津美はくぐもった喘ぎを漏らした。陣痛の最中であるというのに、奈津美の身体はたちまち官能の炎にくるまれた。
(い、いやッ、やめてえッ・・・・・・ああッ、い、いやあ・・・・・・)
 会場は静まりかえりつつも、異様な熱気に包まれていた。
 奈津美の肛門はすでに日比谷の拳を滑らかに受け入れていた。
「うむッ・・・・・・ううむッ・・・・・・」
 生々しい呻きが噴きこぼれた。
 悠々と肛門を出入りする日比谷のスキングローブには、肛門と直腸粘膜の感度を一層敏感にするクリームが塗られていた。
「それにしても、うまいタイミングで出産を誘発できるものですねえ」
「ここの技術力の高さです。陣痛から出産まで、分単位の誤差で管理できますよ」
 荒井とスタッフが小声で話し合った。
 奈津美の身悶えは見る見るうちに激しくなっていった。
(い、いやあッ、こんな時に、やめてッ・・・・・・い、いいッ、お尻がッ・・・・・・ああッ、そ、そんなにされたら、お尻が・・・・・・た、たまらないわッ、いいッ・・・・・・)
 陣痛と官能が入り混ざって、得体の知れない感覚となって奈津美の全身に響き渡った。呼吸は荒々しく、全身から噴き出した汗が艶めかしい肌を滑り落ちた。
「ウッ、ウウムッ・・・・・・ウムムッ・・・・・・」
 アナルフィストのさなか、奈津美は胎児が子宮口をくぐって生まれようとするのを感じ取った。
(ううむッ、あ、ああッ、赤ちゃんが・・・・・・赤ちゃんがッ・・・・・・)
 日比谷もまた、粘膜を隔ててその動きを察知した。
「おお、いよいよ生まれるようですぞ」
 会場に向かって説明すると、再びざわめきが起こった。誰もが目を皿のようにして、決定的瞬間を見逃すまいと身を乗り出していた。
(い、いいッ、いやあッ・・・・・・あ、赤ちゃんがッ・・・・・・ああッ、お、お尻、しないでッ、た、たまらないッ・・・・・・)
 奈津美は官能と母性の狭間で激しく揺れた。火を噴かんほどに燃え上がった肛門性感は、奈津美から思考力を奪い取りつつあった。
 日比谷は一定のリズムで、尚も奈津美の肛門を抉り続けていた。
(うッ、ううむッ、いいッ・・・・・・い、いいわッ、あああッ・・・・・・)
 奈津美は汗にまみれた美貌を仰け反らせては、右に左にとかぶりを振った。せり出した腹部が速い呼吸で激しく上下していた。
「ホレ、しっかり息むんだぞ」
 日比谷は埋め込んだ手首をゆっくりと左右に捻った。
(ううッ、い、いいッ・・・・・・あ、ああッ、た、たまらないッ、もうッ・・・・・・)
 奈津美は絶頂寸前まで追い込まれていた。
 日比谷は指先に当たるバイパスが開き、そこから胎児の頭が出てきたのを確認すると、捻りながら手を引き抜いた。
「ウグッ・・・・・・ウウムッ・・・・・・」
 長時間手首を呑み込んでいた奈津美の肛門は閉じることを忘れて、ポッカリと大きな穴が開いたようになっていた。
 抜かれた日比谷の手は血まみれであった。日比谷はその手を客席に向かって翳し、
「今、胎児の頭がバイパスを通過中です。もうまもなくです」
と説明を加えた。
「い、いよいよか」
 会場のボルテージが一気に跳ね上がった。
「ウッ、ウググッ・・・・・・ムムウッ」
 ポッカリと口を開けたままの肛門からは血が滴っていた。
 やがて、自分の腸管が内側から強烈に押し広げられるのを感じた。
(ううッ、こ、こんなッ・・・・・・あ、赤ちゃんが、本当にッ・・・・・・)
 奈津美は自らの身体で肛門出産を確信した。
(あううッ、い、いやあッ・・・・・・お、お尻の穴で、赤ちゃんを産むなんてッ・・・・・・そ、そんなこと、いやよッ・・・・・・)
 もはや人間の出産ではない・・・・・・奈津美は恐ろしさのあまり気絶しそうになった。
 ちょうど胎児の頭がバイパスを抜けて腸管に至り、次は全身が抜けようとさしかかったところであった。それは猛烈な便意に似ていた。
(い、いやあッ、ゆるしてッ、助けてぇッ・・・・・・そ、そんなッ、お尻で赤ちゃんを産むなんてッ・・・・・・)
 直腸が胎児の頭部で極限まで押し広げられていた。ビリビリと身体を内側から引き裂かれるような痛みの中、背徳や絶望を上回って、奈津美の全身を快美感が貫いた。
「ウムウッ・・・・・・ウウッ、ウムウーッ」
 日比谷たちの手で八合目まで高められていた官能が、胎児の頭で拡張された直腸を炎でくるんだ。
(い、いやッ、いいッ・・・・・・い、いいわッ、あおおッ・・・・・・)
 胎児の全身がバイパスを抜け、腸管にズシリと重い物体を抱え込んだ奈津美は、あとは胎児を「排泄」するのみとなった。
 タオルを噛みちぎらんほどの力でギリギリと歯を噛みしばり、奈津美は全身に力を込めて息んだ。
(ううむッ・・・・・・おおッ、あおおッ、い、いいッ・・・・・・あああッ、も、もうッ・・・・・・)
 胎児の複雑な形状が押し広げられた腸の粘膜を刺激し、この世のものとは思えぬ快美感となって奈津美の脳天に轟いた。
「キシシシ、ホレ、肛門牝なら肛門牝らしく、尻の穴から我が子を産み落とせッ・・・・・・クソをヒリ出す穴から、子供もヒリ出してみろッ」
 最前列の勇吉が、ケダモノのような呻き声を上げて息む奈津美に向かって大きな声を発した。だがそんな声さえ、奈津美には届いていなかった。
(あおおおッ、お、お尻が、たまらないッ、も、もうッ・・・・・・もうッ)
 ポッカリと開いた肛門から、やがて胎児の頭が見えはじめた。
「おおお、す、すごいッ・・・・・・」
「ほ、本当に、尻の穴から子供がッ・・・・・・」
 会場中が息を呑み、この信じがたい光景を見守っていた。特に荒井の感慨はひとしおだった。手に汗を握り、まるで自分が出産中であるかのように、鼻息を荒げて見入っていた。
 奈津美の肛門は、内側から粘膜がめくれ上がって大きく露出したかと思うと、それが極限まで伸びながら大きな輪を描いた。その中心に、粘液と血液にまみれた薄い髪の毛が姿を現しはじめた。
「ウグッ・・・・・・ウググッ」
 奈津美の身体に小刻みな痙攣が走りはじめた。
(あッ、あああッ、いくッ・・・・・・い、いくうッ・・・・・・)
 胎児の頭部だけがすっかり姿を現したところで、奈津美は絶頂に達していた。限界まで高ぶっていた性感に、胎児の頭部が肛門を押し広げて通過する刺激がとどめを刺したのだった。
 奈津美の全身が仰け反り、伸びきっていた肛門は一転してキリキリと収縮した。
「おっ、おおおっ・・・・・・も、もしかして・・・・・・」
「イ、イッたのか・・・・・・?」
 二度、三度と、背筋が弓なりに仰け反った。
 それは誰も見たことがない光景だった。膣口ではなく、肛門から覗かせた胎児の頭部。そして股間に胎児を挟み込んだまま絶頂に達する母。
(い、いくうッ・・・・・・ああッ、いっちゃうッ・・・・・・)
 肛門の収縮は胎児の頸部をキリキリと締め上げた。頭部がみるみるうちにドス黒く変色しはじめた。
 胎児の身体が奈津美の肛門に挟まれたまま、ピクピクと痙攣をはじめた。奈津美の肛門はそれを敏感に感じ取り、さらに絶頂を深め、収縮を強めた。
 やがて胎児は痙攣さえしなくなった。母の肛門から顔を出した胎児には、もはや生気はなかった。
(ヒッ、ヒイーッ・・・・・・し、死ぬ、死んじゃうッ・・・・・・)
「キシシシ、さすが肛門牝の奈津美じゃッ・・・・・・尻の穴で自分の子供を括り殺しおったわいッ」
 狂気に満ちた勇吉の声が響き渡った。
(ヒイッ、ヒイーッ・・・・・・い、いくうーッ・・・・・・)
 奈津美はただ肛門絶頂に浸りきり、自ら殺した子供を肛門に咥えたまま、いつまでも仰け反り続けていた。



  長い間ご愛読ありがとうございました。

 

TOPページへ戻る 創作小説の目次へ戻る
← 前話へ戻る 筆者総括へ →


inserted by FC2 system